ドボク・サミット (佐藤淳一/武蔵野美術大学出版局)

ドボク・サミット実行委員会/佐藤淳一
武蔵野美術大学出版局
2009年04月 発売

小説以外で初めて感想を書きます。ここ数年工場萌えやジャンクション萌えといった写真集が出版され、静かなブームとなっていました。この本は、そういったダムや団地、工場、鉄塔、ジャンクションなどの構造物に萌えを感じる人々が一堂に会し、シンポジウムを行ったときの議事録です。

前半では、そういったものにこだわりを持つ著者たちが、それぞれの構造物に対するフェティシズムを淡々と語っています。このカーブがいいんだとか、この突起がいいんだとか・・・。共感できるものもあれば、正直ちょっと頷けないものもw

私は、ダムや工場、ジャンクションは、ヒューマンスケールを超越したサイズなので、そういったものに非日常、あるいはロマンみたいなものを感じるのではないかと思います。

後半では、それぞれの視点から見えてくる”ドボク”の共通点などを討論しています。ここで言うドボクは、「土木構造物のみならず土木の特徴の一つである機能性重視という性格を持つ建築物」と筆者らは定義しています。ドボクに萌えるという新しい価値観が、どういった位置づけなのか、そしてこれからどこへ向かっていくのかなど議論の内容が、案外深いところにあって興味深かったです。

話は変わって、本書を購入したきっかけですが、自分の新境地開拓のため(笑)、元々○○萌えみたいな本を探していたんです。で色々な分野の本が出回ってて、どれにしようか決めきれず、いろんな分野が包括的にまとめてある本書でまずは何がいいのか決めようかと思い、購入したわけです。

入門書としては、内容が濃密で、ハードルが高すぎたわけですが、○○萌えな人々がどんな思いで向き合ってるかを知れて、結果的にはよかったと思います。

なにぶんマニアックな本ですので、万人受けではありませんが、私にとってはとっても満足できる一冊でした。

次は近代化遺産の本でも探そうかなorz

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カテゴリー: 書評

作成者: きたけん

神戸出身&在住。大学では環境を学び、今はまちづくりに携わる。思い立ったらすぐに飛び出してしまう。